Moodleサイトの運用において、ストレージ容量の管理は重要な課題の一つです。
ユーザー数の増加や学習コンテンツの充実とともに、サーバーのディスク使用量は着実に増加していきます。適切な管理を行わないと、突然のストレージ不足でサイト全体が停止するリスクもあります。
この記事では、Moodleのストレージ使用量を管理する方法をご紹介します。
ストレージ使用量の現状把握
主要なストレージ消費要因
Moodleでストレージを消費する主な要因は以下の通りです:
ユーザーファイル関連:
- プライベートファイル
- 課題提出ファイル
- フォーラム添付ファイル
- プロフィール画像
コースコンテンツ:
- コース内のファイルリソース
- 動画・音声ファイル
- H5Pコンテンツ
システムファイル:
- バックアップファイル
- ログファイル
- 一時ファイル
ユーザー別ファイル使用量の監視
標準のMoodleには、ユーザー別のファイル使用量を簡単に確認できる機能は用意されていません。以下のプラグインを使用することで、詳細な使用量分析が可能になります。
Course Sizeプラグインの活用
Course Sizeプラグインは、ストレージ使用量の監視に最適なツールです。

主な機能:
- コース別のディスク使用量表示
- ユーザー別使用量ランキング(トップ10)
- 詳細なファイル種別分析
導入後の使用方法:
- プラグインをインストール
- サイト管理 > レポート > コースサイズ にアクセス
- コース一覧と使用量を確認
- 「ユーザー(トップ10)」で大容量使用者を特定
設定のポイント:
- 初回は「スケジュールされたタスクで統計を生成中」と表示される場合があります
- サイト管理 > サーバー > スケジュールされたタスク で「coursesize」タスクが正常に動作していることを確認
- 大規模サイトでは、設定で「ページ読み込み時」ではなく「スケジュールタスク」を選択することを推奨
大容量ファイル使用者の特定
Course Sizeプラグインを使用して、以下の項目を定期的にチェックしましょう:
- 個人使用量トップ10ユーザー
- コース別の使用量ランキング
効果的なストレージ管理
1. 事前のアップロード容量制限設定
ファイルサイズ制限:
- サイト管理 > セキュリティ > サイトセキュリティ設定 > 最大アップロードファイルサイズ
- 用途に応じて 20MB~100MB程度に設定
2. 定期的なクリーンアップ
自動削除の設定:サイト管理 > サーバー > クリーンアップ で定期実行を設定
バックアップファイルの管理:自動バックアップが多く作成されるとファイルスペースを圧迫します
- サイト管理 > コース > バックアップ > 自動バックアップ設定 で保持するバックアップ数や保持期間を適切に設定してください
適切なストレージ管理により、安定したMoodle運用を継続し、学習環境の質を維持できます。定期的な見直しと改善を通じて、組織のニーズに最適化されたシステムを構築していきましょう。