こんにちは!今回は、Moodleで複数のコースを運営する際に非常に便利な「コホート機能」について、基礎から実践的な使い方まで解説していきます。
コホート機能とは?
コホート機能は、サイト全体で使える「グループ」のようなものです。通常のグループがコース内だけで使えるのに対し、コホートはサイト全体で使用できる便利な機能です。
たとえば、「202N年度入学生」「営業部研修グループ」「英語初級クラス」といった形で、複数のコースで同じメンバーを管理したい場合に活用できます。
なぜコホートを使うの?
コホートを使用せずに100人の学生を5つの異なるコースに登録する場合、一人一人手動で登録するか、各コースでCSVファイルをアップロードする必要があります。しかし、コホートを使えば、一度コホートにメンバーを登録するだけで、そのグループ全体を各コースに簡単に登録できます。
コホートの登録方法:2つの選択肢
コホートのメンバーをコースに登録する方法には、「手動コホート登録」と「コホート同期」という2つの方法があります。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
手動コホート登録の仕組み
手動コホート登録は、文字通り手動でコホートメンバーをコースに登録する方法です。例えるなら、クラス名簿を見ながら一括で出席簿に名前を書き写すようなものです。
一度登録してしまえば、後からコホートメンバーが変更されても、コース内のメンバーは変更されません。これは、転校生が来ても元のクラスの出席簿はそのままになるようなイメージです。
コホート同期の仕組み
一方、コホート同期は、コホートとコースを常に連携させておく方法です。これは、クラス名簿と出席簿がデジタルでリンクしているようなもので、クラス名簿の変更が自動的に出席簿に反映される仕組みです。
それぞれの方法の特徴
手動コホート登録が適している場合
手動コホート登録は、以下のような場合に最適です:
「4月からの新入社員研修で、最初に全員を一括登録したい。その後メンバーは変更しない予定」
「学期始めに一度登録すれば、その後の変更は個別に対応できる」
このような場合、設定が簡単で分かりやすい手動コホート登録がおすすめです。
コホート同期が適している場合
コホート同期は、以下のような状況で力を発揮します:
「語学コースで、レベルに応じて頻繁に受講者の入れ替えがある」
「複数の必修科目があり、学生の追加や削除を一括で反映させたい」
「部署別の研修で、人事異動に応じて自動的に受講コースを変更したい」
具体的な設定方法
では、実際の設定方法を見ていきましょう。
コホート同期の設定手順
- まず管理者が「サイト管理 > プラグイン > 登録方法」から「コホート同期」を有効化します
- 次に、設定したいコースの登録方法設定画面を開きます
- 「コホート同期」を追加し、使用するコホートを選択します
- 登録するロール(通常は「学生」)を指定します
- 必要に応じて、コース内のグループ設定も行えます
手動コホート登録の設定手順
- コース内の「参加者」画面を開きます
- 「登録」ボタンをクリックします
- コホートタブを選択し、登録したいコホートを選びます
- これで一括登録が完了です
運用上の注意点
コホート機能を活用する際は、以下の点に注意が必要です:
- コホートの名称は分かりやすいものにしましょう
- 定期的にメンバーリストを確認・更新することをお勧めします
- 特に同期方式の場合、意図しない登録・削除が起きていないか確認が必要です
まとめ
コホート機能は、多人数の登録管理を効率化できる非常に便利な機能です。用途に応じて手動登録と同期を使い分けることで、よりスムーズなコース運営が可能になります。
はじめは少人数の簡単なケースから試してみて、徐々に活用範囲を広げていくことをお勧めします。コホート機能の活用で、管理作業の時間を大幅に削減できるはずです。