Moodle 4.5で日本語、英語、ベトナム語などの多言語対応を実現する方法を解説します。

プラグインを導入する方法と標準の機能だけで実現する方法、2つを紹介いたします。

Multi-Language Content (v2) プラグイン使用時の利点

  • 通常のエディタでそのまま入力可能 - HTMLソース編集モードに切り替える必要がありません
  • より確実に動作します

標準の多言語フィルタ使用時

  • HTMLソース編集モード(<>ボタン)での入力が必須 - 通常モードで入力するとエディタがタグを変更してしまいます

方法1: Multi-Language Content (v2) プラグインを使用する場合

プラグインのインストール

  1. プラグインをダウンロード
  2. プラグインをインストール
    • サイト管理 → プラグイン → プラグインをインストールする
    • ダウンロードしたZIPファイルをアップロード
    • 画面の指示に従ってインストールを完了

設定手順

  1. 標準の多言語フィルタを無効化
    • サイト管理 → プラグイン → フィルタ → フィルタを管理
    • 「多言語コンテンツ (mlang)」を「オフ」に設定
  2. Multi-Language Content (v2) を有効化
    • 同じページで「Multi-Language Content (v2)」を「オン」に設定
  3. キャッシュをクリア
    • サイト管理 → 開発 → キャッシュの削除
    • 「すべてのキャッシュを削除」を実行

書き方

{mlang ja}日本語のテキスト{mlang}{mlang en}English text{mlang}{mlang vi}Văn bản tiếng Việt{mlang}

利点: 通常のエディタモードでそのまま入力できます。HTMLソース編集モードに切り替える必要はありません。

使用できる場所

  • コース完全名
  • コース要約
  • セクションの説明(Section summary)
  • ラベル
  • ページ
  • その他のテキストフィールド

制限事項

セクション名(Section name)では正常に動作しません。

セクション名はナビゲーションやアクセシビリティ属性で使用される際にHTMLタグが除去されるため、多言語フィルタが機能しません。

代替案:

  • セクションの説明フィールドを使用
  • ラベルアクティビティをセクションの先頭に追加して見出しとして使用

方法2: 標準の多言語フィルタを使用する場合(プラグインなし)

設定手順

  1. 多言語フィルタを有効化
    • サイト管理 → プラグイン → フィルタ → フィルタを管理
    • 「多言語コンテンツ (mlang)」を「オン」に設定
  2. コースレベルでの確認
    • コース管理 → フィルタ
    • 「多言語コンテンツ」が「オン」または「継承(オン)」になっていることを確認
  3. キャッシュをクリア
    • サイト管理 → 開発 → キャッシュの削除
    • 「すべてのキャッシュを削除」を実行

書き方

<span lang="ja" class="multilang">日本語のテキスト</span><span lang="en" class="multilang">English text</span><span lang="vi" class="multilang">Văn bản tiếng Việt</span>

重要: </span><span> の間にスペースや改行を入れないでください。

入力方法(重要)

HTMLエディタ(Atto や TinyMCE)を使用する場合は必ずHTMLソース編集モードで入力してください:

  1. エディタの「<>」(HTMLソース編集)ボタンをクリック
  2. 上記の構文を直接入力
  3. 保存

通常のエディタモードで入力すると、エディタが自動的にタグを変更・削除してしまい、正しく動作しません。

使用できる場所

  • ラベル
  • ページ
  • セクションの説明(Section summary)
  • その他のHTMLエディタを使用するフィールド

制限事項

セクション名(Section name)では正常に動作しません。

セクション名はHTMLタグが除去されるため、多言語フィルタが機能しません。

代替案:

  • セクションの説明フィールドを使用
  • ラベルアクティビティをセクションの先頭に追加して見出しとして使用

動作しない場合

標準フィルタが正常に動作しない場合は、方法1のMulti-Language Content (v2) プラグインの使用を推奨します。


Moodleの多言語対応の仕組み

Moodleは多言語対応が非常に充実しています。言語パックをインストールすることで、Moodleの基本的な機能(ボタン、メニュー、システムメッセージなど)の言語は自動的に切り替わります。

言語パックのインストール

サイト管理 → 言語 → 言語パック

ここから必要な言語パックをインストールできます。インストール後、ユーザーは自分の好みの言語を選択でき、インターフェースが自動的にその言語で表示されます。

コンテンツの多言語対応

一方、コースの内容(コース名、セクション名、教材の説明文など)は、言語パックだけでは自動的に翻訳されません。これらのコンテンツを多言語対応にするために、この記事で紹介している多言語フィルタやプラグインが必要になります。

つまり:

  • Moodleのインターフェース → 言語パックで自動対応
  • コースのコンテンツ → 多言語フィルタで手動対応

言語コード一覧

言語コード
日本語ja
Englishen
Tiếng Việtvi
中文(簡体字)zh_cn
中文(繁體字)zh_tw
한국어ko
ไทยth
Españoles
Françaisfr
Deutschde

その他の言語コードの参照:


使用例

方法1(プラグイン使用):ラベルアクティビティでの使用例

{mlang ja}第1週:イントロダクション
このコースへようこそ。{mlang}{mlang en}Week 1: Introduction
Welcome to this course.{mlang}{mlang vi}Tuần 1: Giới thiệu
Chào mừng đến với khóa học này.{mlang}

方法2(標準フィルタ):ラベルアクティビティでの使用例

HTMLソース編集モード(<>)で入力:

<h3><span lang="ja" class="multilang">第1週:イントロダクション</span><span lang="en" class="multilang">Week 1: Introduction</span><span lang="vi" class="multilang">Tuần 1: Giới thiệu</span></h3>

<p><span lang="ja" class="multilang">このコースへようこそ。</span><span lang="en" class="multilang">Welcome to this course.</span><span lang="vi" class="multilang">Chào mừng đến với khóa học này。</span></p>

まとめ

Moodleで多言語対応を実現するには、Multi-Language Content (v2) プラグインの使用が最も簡単で確実です。標準の多言語フィルタも使用できますが、HTMLソース編集モードでの入力が必須となります。

どちらの方法を選択しても、セクション名では多言語フィルタが機能しないため、セクションの説明フィールドやラベルアクティビティを活用しましょう。

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